冬季・北海道のサロベツ原野の旅からもどった。
道北地方特有の悪天候だった。横殴りの吹雪、凄まじい雷、テントの布地を通してイナズマが光った。テントが潰されそうになった。
下界はそれどころじゃない、と知ったのは町に下りてから。関東の被災地からだいぶ離れたところでも、大混乱になっていた。
地震を経験したけれど大きな被害に遭っていない人たちが、エセ情報でパニックになっている。無知な人よりも中途半端な知識を持つ人が、まちがった情報を垂れ流している。天災のあとは人災か。
平和すぎる北の大地でそんなことをおもった。。。
連続してケガに見舞われる。
両ヒザが半月板損傷(これまでの酷使したツケ)。。。
右手を7針縫う(ビルから堕ちて)。。。
今でもよく勘違いされる。
私がまだクライミングをつづけているって。。。
二十数年前に、才能の無さを悟りクライミングは捨てた。
自分の思い描く才能とは、
・今を完全燃焼――死ぬためにクライミングしているわけではもちろんないが、いつ死んでも悔いがないのではないかと思えるほどの集中力を発揮する。
・高貴な価値観――成果云々よりも己の潜在能力をどれだけ引き出せたかに重きをおく。
才能は努力では補えない。
そう痛感したのがクライミングで得たただひとつの成果だった。
こう説明しても多くの人はポカーンとするだけ。
意識の低い輩には説明するだけムダかも。。。