もう再起はできないかもしれない。 「厳冬季・カナダ中央平原」をスキーとソリで200km踏破して帰国しそう思った。今冬のカナダをふくめ、凍傷やケガを患っていらいの3年間をふりかえってそう悟った。たしかに凍傷後もマイナス40度Cを下まわる厳冬季カナダや突風の富士山に出かけ行動している。でも凍傷以前にくらべて身体機能は半分以下に落ちた。 歩きつづけていればいつかは、努力してたどり着けるものと、あらゆるエネルギーを費やしても実現しないものと、2つの領域があるという現実の壁にぶち当たる。そして歩きつづけていれば、超えるべき壁と見送るべきものと、この2つの境界線がより明瞭に見えてくる。きっと今は、ひとつの潮時にさしかかっているのだろう。 いずれにしても、これからは「今という現実」のなかでどれだけ自身の能力を発揮できるかになりそうだ。 * ハンディはあるけれど、カナダにはまだまだ魅惑的な土地が、自分がまだ足を踏み入れていないエリアがたくさん残されている。BC(ブリティッシュ・コロンビア)州の内陸北部、ケベック州北部、すでに観光地化された感のあるバンクーバー島にもひっそりと忘れ去られたような土地がある。情報の入りにくいエリアばかりに夢が広がってしまう。いつかきっと訪れる日がくるだろう。