昨夜はクライミングギャラリーThe Tribeにて「冒険とは、旅とはⅢ」(荻田泰永×田中幹也)のイベント。
冬のカナダの旅がメインなのだけれど、自分の場合はどうしてもクライミングから旅へ移行の話をしないと繋がらない。
クライミングは楽しかった。一緒に登った人も個性豊かでおもしろかった。
でも、自分にはクライミングとはちがった別の世界があるのではないかという違和感がついてまわった。
クライミングから旅への移行は、いまだにうまく整理できていない。
この先も自身に問いかけていきたい。
これからも何をめざしているのかわからない旅をつづけていきたい。
クライミングの世界でかんじたいいようのない閉塞感は、旅の世界ではあまりない。
要所で、舞台が岩壁登攀や自転車旅や大雪原の冒険なのに夜のバンコクやタイの女にハマる話を盛り込まざるを得なかった(固人名は出さなかったよ(笑))
なお荻田さんは、2011年冬から初夏にかけて角幡唯介と歩いたカナダ北東部のレゾリュート〜ジョアヘブン〜ベイカーレイク、1600km、103日間。
話がまとまっていてうまい。
なぜそこを歩いたのか、そしてそのルート周辺をとりまく19世紀の北西航路の航海の話が盛り込まれていてひじょうに興味深かった。
ふたりとも氷の上を歩きながら、荻田さんには荻田さんの世界が、自分には自分の世界がある。
(画像のカナダ地図の線は、自分の旅の軌跡)
カナダに通っていたころ、いちばんはじめにカナダ第三の都市バンクーバーに入る。
年間とおして雨の多い街だ。
バンクーバーではもっぱら図書館に通った。
2週間くらい毎日アウトドア雑誌のバックナンバーを閲覧したこともある。
計画的にやったのではない。
ギャンブル中毒みたいに気がついたらハマっていた。
頁をぺらぺらめくっていくと直感的に「このエリアおもしろいかも」という瞬間に出会う。
つぎなる計画はたいてい図書館からはじまった。
うんざりするほど雨の多い街だけれど、バンクーバーは好きなエリアのうちのひとつだ。
3月27日(土)に出演したサバイバル登山家・服部文祥さんとのオンライン・トーク「跋山渉水(ばっさんしょうすい)」の一部、これで聞ける。
単独行のはなしから、なぜか本の出版のはなしになってしまった(笑)
夫婦で歩いてカナダ横断。
児玉文暁さん、児玉あゆみさん。
3年がかりで、西から東へ、距離6000キロ。
具体的にどんな旅なのかは、台風で暇してる今夜にでもブログを3年ぶんぜんぶ読んでみよー。
まだ会ったことないけど、文章から人柄が伝わってくる。
とにかくこだわりがない。
ふつう大きなことやる人ってときに必要以上に極端なこだわりが支えになっていたりする。
できたかできないか、と。
マイペースでのほほーんと歩いて成し遂げてしまうところが超越しとる。
もっとも当人たちに成し遂げたという意識はうすい。
でもカナダに暮らす人と街と自然に触れあってサイコーに楽しんでいる。
旅モノ、とりわけ徒歩や自転車やバイク旅って、ときに「やったやった、俺が俺が」と辟易する話がすくなくない。
きっとカナダを歩いたという壮大な記憶も自分たちのなかで静かに整理していくのだろう。
もしかしたら人生をふり返ったときに、できたかできなかったかなんてそう大きな問題ではないのかもしれない。
◼児玉文暁さんのブログ
https://ameblo.jp/kfumi/entry-12533831528.html
◼児玉あゆみさんのブログ
https://ayumiaruki.exblog.jp