昨夜読んだ本。 『43歳頂点論』(角幡唯介著) 登山家冒険家の頂点は43歳ではなかろうか、という仮説にもとづいた論考。 植村直己、長谷川恒男、星野道夫、谷口けい。いずれも享年43。 うんうん、たしかにそうだ。 体力、気力、経験を統合すると、登山や旅において四十代前半が死ぬ確率はもっとも高まる。 ただこれらは最大公約数的にみてのはなし。 オイラが現役で山に行っていたころ、山でそこそこ使える人の半数は二十代で死んだ。 また近年盛んな山岳レースやスピード・ツーリングでは、五十代でも信じられないような記録をつくる。 ところで頂点を過ぎたらもう登山や旅に取り組んでも意味がないのか。 いやいや、そんなことはない。 すでに五十歳ちかい著者がグリーンランドを舞台に楽しく充実した旅を行っているではないか。 ちなみにオイラの登山の頂点は15歳だった。 (登攀クラブ蒼氷にいた十代後半から二十代前半は完全に終っていた) でも身体が故障だらけ、体力も若いときの10分の1くらいになった五十代六十代の登山や旅が、若いころよりも楽しく充実もしている。 年齢を重ねたほうが、取り組む対象とより深く関わりがもてるようになるのだから。