きのうのトークイベント「日本の山旅」のようなものでは、こんなことを言いたかった。
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日本の山や自然は、海外にはない繊細さが見られる。
海外の山や自然には、日本にはない雄大なスケールが見られる。
どちらが魅力的かということではない。
そのとき行動者の心の琴線に触れたものが、行動者にとって最高の舞台(テーマ?)になるのだと思う。



トークイベントのようなもののお知らせだよ!
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●テーマ
「日本の山旅の魅力 ~~海外遠征を繰り返し、あらためて日本の自然の豊かさに気づく~~」
●トーク内容
これまで厳冬カナダの過酷な自然を舞台に活動をつづけていたが、日本の山旅の魅力について語るよ。雄大なスケールの海外の自然の中にいると、繊細で落ち着きのある日本の自然が、むしょうに恋しくなるときがある。
海外の山や自然には海外でなければ見れない光景がある。いっぽうで日本の山や自然にも日本でなければ見れない光景がある。海外での活動から離れて2年。あらためて日本の山や自然の豊かさ楽しみ方に気づいた。
いつものことだけれど、中途ハンパに勉強していたり中途ハンパな体験しかしていない人には、うまく伝えられないと思うな。というよりも伝える気はさらさらないから(笑)
●日時
7月2日(土)18時から19時
(トークのあとは、飲み会に突入!)
(トークがつまらんかったら切りあげて、飲み会に突入!!)
●場所
「おみせのようなもの」
横浜市南区中村町3-197
http://omise.nojukuyaro.net/?cat=5
●参加費
500円
(予約不要。どなたでも参加できるよ)
●詳細
http://omise.nojukuyaro.net/
●プロフィール
田中幹也(たなか かんや)
1965年生まれ。10代よりクライミングを始める。1983年神奈川県岩登り競技会2位。1985年から90年にかけてグランドジョラス北壁、谷川岳一ノ倉沢、黒部・奥鐘山西壁などの岩壁を200ルート登攀。冬季初登10ルート。より困難なアルパインクライミングをめざすも才能が全くないことを悟り断念。以後、水平方向の冒険に転向。1995年より20年間(19冬)にわたり厳冬カナダの山脈や平原を山スキー、徒歩、自転車で合計2万2,000km踏破。2013年、第18回植村直己冒険賞受賞。数年前より厳冬・津軽の山にも取り組むが、身体の故障ともあいまってトライする計画は全滅。共著に『山と私の対話』(みすず書房)、共編著に『目で見る日本登山史』(山と渓谷社)など。登攀クラブ蒼氷ОB。サンコンさん軍団。
ホームページ

きのう読んだ本。
『歩き旅ふみの徒歩世界旅行2』(児玉文暁著)
オーストラリア大陸とニュージーランドをそれぞれ3000キロ、8カ月。
だから合計6000キロ、16カ月におよぶ徒歩縦断の旅日記。
肩肘張らない旅だ。
ゴールめざしてあくせくといった気負いがまるでない。
かといって不自然な自然体をポーズにするバックパッカーのように、易きへ低きへと流れ、気がついたら溺れていたなんてわけではもちろんない。
自分のペースはきちんと守り、やがてはゴールする。
この著者は、アラフィフだけど現在進行形で旅をつづけている。
たいていの人たちは若いときこそ元気でもやがて萎えてゆく。
アラフィフになれば、それぞれ自身の定めた第一線からは退いて守りに入る。
地に足が着くとも終わるとも。
やらないための言い訳がうまくなり、若いころの自慢話に生き甲斐を見いだしはじめる。
周囲も守りに入ってゆく後ろ姿を黙って受け入れはじめる。
あれだけやったんだからもうじゅうぶんでしょう、と。
アラフィフで自身の定めた第一線で活動する人は、ガクッと減る。
この著者の飽くなき歩き旅は、これからもつづくだろう。
細く長く。
言葉にすればかんたんだけれど、なんだかすごく奥が深そうだ。
この著者は、いまカナダ横断歩き旅を計画している。

冬季・北海道のサロベツ原野の旅からもどった。
道北地方特有の悪天候だった。横殴りの吹雪、凄まじい雷、テントの布地を通してイナズマが光った。テントが潰されそうになった。
下界はそれどころじゃない、と知ったのは町に下りてから。関東の被災地からだいぶ離れたところでも、大混乱になっていた。
地震を経験したけれど大きな被害に遭っていない人たちが、エセ情報でパニックになっている。無知な人よりも中途半端な知識を持つ人が、まちがった情報を垂れ流している。天災のあとは人災か。
平和すぎる北の大地でそんなことをおもった。。。