きのう読んだ本。 『歩き旅ふみの徒歩世界旅行2』(児玉文暁著) オーストラリア大陸とニュージーランドをそれぞれ3000キロ、8カ月。 だから合計6000キロ、16カ月におよぶ徒歩縦断の旅日記。 肩肘張らない旅だ。 ゴールめざしてあくせくといった気負いがまるでない。 かといって不自然な自然体をポーズにするバックパッカーのように、易きへ低きへと流れ、気がついたら溺れていたなんてわけではもちろんない。 自分のペースはきちんと守り、やがてはゴールする。 この著者は、アラフィフだけど現在進行形で旅をつづけている。 たいていの人たちは若いときこそ元気でもやがて萎えてゆく。 アラフィフになれば、それぞれ自身の定めた第一線からは退いて守りに入る。 地に足が着くとも終わるとも。 やらないための言い訳がうまくなり、若いころの自慢話に生き甲斐を見いだしはじめる。 周囲も守りに入ってゆく後ろ姿を黙って受け入れはじめる。 あれだけやったんだからもうじゅうぶんでしょう、と。 アラフィフで自身の定めた第一線で活動する人は、ガクッと減る。 この著者の飽くなき歩き旅は、これからもつづくだろう。 細く長く。 言葉にすればかんたんだけれど、なんだかすごく奥が深そうだ。 この著者は、いまカナダ横断歩き旅を計画している。