若いときにできなかったことは、たいてい歳とともに実現の可能性はますますきびしくなる。 でも若いときには見えなかったものが、歳とともによりたくさん見えるようになってきたりする。 若いときには受け入れられなかった価値観が、歳とともに受け入れられるようになったりする。 できないと達観することによって、ひとつのこだわりという呪縛から解放されるのだろうか。 こだわりとは強靭な意志ともいえるし、ただ単に視野がせまくて融通が効かず思考停止に陥っているだけともいえる。 山や自然という壮大なスケールから見れば、ヒトの挑戦などしょせんは狭い範囲における低次元のゲームにすぎないのだろうか。 このところ山や自然のなかでただそこにいるだけで不思議と満たされることが多くなってきた。 この感覚は、若いときには得られなかった。 * 2週間の北アルプスの山旅でそんなことをおもった。