先日の記者会見。
・「中途半端に勉強した人や、中途半端な経験しか積んでいない人に、『危ないから止めた方がいい』といわれたらゴー・サインだ」
カットされるにきまっていると思ってコメントしたところがそっくりそのまま掲載された。
みなさん、ありがとう!
あいかわらず受賞へのメッセージが届いている。
なかでも感慨深かったのが、
「なんともらしくない。。。」
「辞退を押し通さなかったのか。。。」
知人からのネガティブな声は、自分のもうひとつの思いとも重なる。
今回のことは1月下旬、あるところからの情報でわかっていた。
以来ひたすら悩んだ。
凍ったテントのなかでも、カナダの都市の安宿のベッドでも、風雪の津軽でも、そして歩きながら。
東京にもどってから思い悩みはさらに増大。
植村直己の軌跡をあらためて確認しようと図書館へ行くも、気がついたら太宰治の生涯を読みふけっていた。
結果的に受賞を受け入れたことがよかったのか辞退したほうがよかったのか、自分でもわからない。
おそらく誰にもわからないだろう。
賞とは行動に対する偶然の結果であって目的ではない。
ただひとついえることは、受賞しようがしまいが自分はこれまでのまま変わることはないし変わるつもりもない。
今回の受賞では、選考において結果よりも過程に重きを置いてくれたことはなによりも嬉しい。
いっぽうで、大衆に受け入れられてしまったという時点で、厳冬カナダはもはや冒険としては成り立たなくなった。
自分の冒険の規準は、中途ハンパに勉強した人や、中途ハンパな経験しか積んでいない人に「危ないから止めたほうがいい」といわれたときにゴー・サインを出す。
いずれにしても厳冬カナダは、自分にとっては過去のものとなった。。。
「CYCLE SPORTS」(八重洲出版、2008年12月号)に、「厳冬カナダ自転車旅」のタイトルで掲載。
自分の言いたいことが果たしてうまく伝わっただろうか。
自転車なんて漕げば進む。リスクも低い。
編集部よりのコメントは「過酷という言葉では語れないほどすさまじい旅」。
世の中もっとすごい世界たくさんあるのに。真摯に追求するアスリートに比べたら、自分のやっていることはしょせんその程度にすぎない。
ある意味で編集者の意図というよりも、昨今の保守的で主体性のない読者を反映してのコメントかな。。。