昨夜読んだ本。
『間違う力』(高野秀行著)
アフリカでの謎の怪獣探しやミャンマー北部の麻薬地帯長期滞在を行ってきたノンフィクション作家のこれまでの奇跡を、人生訓10カ条にまとめたもの。
とにかく早大探検部出身のこの著者は、何でもあり。
いやだって、、、
自由を求めて山とか旅とかやっとるのに、教条主義を押しつけてくる輩が少なくないから。
サンダルで夏の北アルプスを歩いてはいけません、自転車で雪の上を走ってはいけません、はじめてのスキーで長期縦走をやってはいけません、運動靴で雪山に行ってはいけません、台風直撃のときに山でキャンプしてはいけません、冬型が強まったときに東北の日本海側の山に行ってはいけません。
あれダメこれダメそれもダメ、、、
この著者は、基本などはなから無視していきなり応用から入る。
だいたい基本をきっちりやっていたら実践に移る前に人生が終わる。
この本に書いてあることが役に立つかどうかはさておき、まずはやったもん勝ちという著者の姿勢は読んでいて気分がスカッとする。
いくら猛練習を積んでも絶対に試合に出ない野球選手に価値はない、と言いきる。
書評を書いた。
厳冬の真っ暗闇のグリーンランド北部の80日間のひとり旅を綴った『極夜行』(角幡唯介著)。
事情に明るい人が見ても発想も行動も特化しとる旅だけれど、一般大衆にも共感できるように噛み砕いて書くのがこの著者の手法である。
難解な最先端の化学の研究を、化学反応式を用いずにわかりやすく説明して、なおかつ楽しめるかんじ。
深い行動ができて書けるのが角幡唯介。
そういう本の書評だ。
昨夜読んだ本。
『日航123便 墜落の新事実』(青山透子著)
1985年夏の御巣鷹山の日航機墜落の真相を追ったノンフィクション。
多くの資料や証言をもとに隠された事実をつぎからつぎへとあばいてゆく。
じつは事故ではなく事件であった。
(その事故(事件?)が何であったかはこの本に詳しく書かれている)
一般的に流れている情報と事実との激しい食い違いは、なにもこの事故にかぎった話ではないだろう。
自分のなかでは日航機墜落の新事実云々よりも、なぜ情報と事実との食い違いか生じてしまうのかに興味が移った。
多くの人たちはメディア側の不勉強だと責任転換してしまうけれど、むしろメディア側の流す情報を安易に鵜呑みにしてしまう一般大衆こそが誤った情報をより拡散させているのではないだろうか。
情報を受けとるときにはつねにそういうことを意識したい。
この本の狙いとはぜんぜんちがうことを綴ってしまったけれど、この本を読みながらそんなことを思った。
社会ってたくさんの膜によって覆われているのかな。
昨夜、読んだ本。
『努力不要論』(中野信子著)
そーだそーだ、読みながらイイネを100回つけたい気分になる。
じっさい努力地道勉強と声高にわめく輩ほど実績にとぼしい。
ぜんぶの人がそういうわけじゃないけど。
努力という魔のコトバに酔ってしまい、時間さえかければいつか誰かが認めてくれると勘違いしてしまっている。
もちろんそれで成果にたどり着く人もいるだろうけれど、それは犠牲を犠牲と思わず身体壊そうが何しようがかまわないというきわめてかぎられた覚悟のきまった人だろう。
大ざっぱにいってしまえば、たいていの努力はムダ。
それよりも自分が楽しいと思えること見つけたほうがいい。
好きこそ才能。
たとえ成果に結びつかなくても、すくなくともムダだったとは思わないはずだ。
かぎりある人生、やりたいことやらなきゃ損だ。
この本でもっとも印象的だった一文。
「もともとの能力が低く、しかし努力に努力を重ねてのし上がってきたという人は他人の才能を見抜いて潰しにかかってくる傾向が強い」
自分のまわりにもパッと何人か思い浮かぶ(笑)
書評を書いた。
『洞窟ばか』(吉田勝次著)
洞窟といえば陰鬱な印象が強いけれど、この本は著者の豪放磊落(たぶん?)なキャラともあいまってとにかく明るい。
じっさいに洞窟に行くのはちょっとと躊躇する人でも、この本は読み物として楽しめるとおもう。