そういえばクライミング・ジムでトークやったのはじめてだった。
これまでのトークのなかでは、まあまあうまく伝えられたような気がする。
たぶん。
なぜかというと質問とトークぜんたいを終えたあとの雑談で、どことなくポイントの伝わり具合というものがあらわれる。
うまく伝わっていないときは、まったくといっていいほど的外れなことを訊いてきたりするから。
質問の内容はしばしば理解度と一致する。
あとほかの人のトークイベントに行ったりすると、質問に見せかけていながらオレがオレがをアピールするようなオレオレ君(実績や実力は低いわりに承認要求は高い)も見かけたりする。
今回、オレオレ君の出没はなかった。
それとトークに退屈してストレッチやったり登りはじめちゃう人がいるかと思ったけれど、写真を見るかぎりいないようだ。
オイラが視聴者だったら、退屈したら迷わずに登っちゃうもんね(笑)
今回、退屈でがまんできない君もいなかった。
いずれにしても表現なんて一個人の価値基準の話にすぎないわけで、無理に押しつけるものではない。
共感したところだけを取り入れて、違和感があるところはスルーしちゃえばいい。
すくなくとも自分が視聴者のときは、トークイベントというものはバイキングでお皿に取るような感覚だととらえている。
才能というのは定義があいまいすぎる。
人によってその解釈に幅がありすぎる。
自分なりにはこう捉えてみた。
才能とは優劣を差し引いて夢中になれるもの。
きのうのトークのようなものでは、今冬の北東北の山旅の話をした。
おもに3月の雪崩に流されたときのこと。
*
正しい判断なんていつだって行動しない人の机上の空論に過ぎない。
あるいはやる気のない輩の口実だったりする。
バカのひとつ覚えのごとく正しい判断ばかり求めるならば、山なんか一生行かずに机上講習にでもかじりついていたほうがいい。
そんなこと言いたかったけれど、うまく伝わったかなぁ。
昨夜、読んだ本。
『努力不要論』(中野信子著)
そーだそーだ、読みながらイイネを100回つけたい気分になる。
じっさい努力地道勉強と声高にわめく輩ほど実績にとぼしい。
ぜんぶの人がそういうわけじゃないけど。
努力という魔のコトバに酔ってしまい、時間さえかければいつか誰かが認めてくれると勘違いしてしまっている。
もちろんそれで成果にたどり着く人もいるだろうけれど、それは犠牲を犠牲と思わず身体壊そうが何しようがかまわないというきわめてかぎられた覚悟のきまった人だろう。
大ざっぱにいってしまえば、たいていの努力はムダ。
それよりも自分が楽しいと思えること見つけたほうがいい。
好きこそ才能。
たとえ成果に結びつかなくても、すくなくともムダだったとは思わないはずだ。
かぎりある人生、やりたいことやらなきゃ損だ。
この本でもっとも印象的だった一文。
「もともとの能力が低く、しかし努力に努力を重ねてのし上がってきたという人は他人の才能を見抜いて潰しにかかってくる傾向が強い」
自分のまわりにもパッと何人か思い浮かぶ(笑)
トークイベントのようなもののお知らせ。
●タイトル
厳冬・北東北の山旅
●日時
6月30日金曜日19時から20時(トークのあとは懇親会のようなもの)
●場所
お店のようなもの
神奈川県横浜市南区中村町3丁目197番地
http://omise.nojukuyaro.net/?cat=5
●参加費
500円
●予約
不要
●詳細
http://omise.nojukuyaro.net/
(追って更新)
●トーク内容
今冬もダメだった。津軽の山へ、奥羽山脈の山へ、何度も足を運んだけれど、当初計画したことはなにひとつできなかった。雪崩に流されたり、身体の故障が酷くなったり。すべてがうまくいかなかった。それでも北東北の山には、麓をふくめると40日間ちかく滞在した。ダメだったけれど、北東北の自然の本質に迫ることはできたようだ。いつものことだけれど、中途ハンパに勉強していたり中途ハンパな体験しかしていない人は、来てもしょうがねよ(笑)
●プロフィール
田中幹也(たなか・かんや)
1965年生まれ。10代よりクライミングを始める。1983年神奈川県岩登り競技会2位。1985年から90年にかけてグランドジョラス北壁、谷川岳一ノ倉沢、黒部・奥鐘山西壁などの岩壁を200ルート登攀。冬季初登10ルート。より困難なアルパインクライミングをめざすも才能が全くないことを悟り断念。以後、水平方向の冒険に転向。1995年より20年間(19冬)にわたり厳冬カナダの山脈や平原を山スキー、徒歩、自転車で合計2万2,000km踏破。2013年、第18回植村直己冒険賞受賞。共著に『山と私の対話』(みすず書房)、共編著に『目で見る日本登山史』(山と渓谷社)など。登攀クラブ蒼氷ОB。
ホームページ
●その他
7月10日(月)のクライミングジム・ジャムセッション三鷹にくらべると、場所は超狭くてアクセスは不便(笑)
トークショーをやるよ!
●タイトル
厳冬カナダ2万2000キロの旅で思ったこと
●日時
7月10日(月)20時30分~22時
●場所
クライミングジム・ジャムセッション三鷹
東京都三鷹市上連雀2ー2ー5 ポリフォニー三鷹ビル2階
http://xn--xckbj6a9jra6a4gy403a4b6j.com/
●料金
以下、聴講料一覧(税抜価格)
ジムで登られる方:1500円
トークショーのみお聴きになられる方:1000円
マンスリーパスをお持ちの方:500円
●予約
不要
●トーク内容
垂直のクライミングの世界と水平の旅の世界と両方に触れながらどちらもドップリ浸かることのなかったという自分ならではの視点で厳冬カナダの旅というものを語ってみたい。
●プロフィール
田中幹也(たなか・かんや)
1965年生まれ。10代よりクライミングを始める。1985年から90年にかけてグランドジョラス北壁、谷川岳一ノ倉沢、黒部・奥鐘山西壁、甲斐駒ヶ岳などの岩壁を200ルート登攀。冬季初登10ルート。より困難なアルパインクライミングをめざすも才能が全くないことを悟り断念。以後、水平方向の冒険に転向。1995年より20年間(19冬)にわたり厳冬カナダの山脈や平原を山スキー、徒歩、自転車で合計2万2,000km踏破。2013年、第18回植村直己冒険賞受賞。共著に『山と私の対話』(みすず書房)、共編著に『目で見る日本登山史』(山と渓谷社)など。(株)スカイブルーサービス。登攀クラブ蒼氷ОB。
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