すこし前に読んだ本。
『リヤカー引いてアフリカ縦断』(吉田正仁著)
たとえばどこでもいいから国道を1日40キロ歩いてみる。
できれば真夏日とかを選んでやってみる。
おそらく何割かの人は歩きはじめてすぐにギブアップするだろうし、何割かの人は歩けてもそれだけでお腹いっぱいになるだろう。
翌日もまたおなじことをやろうという体力と気力が残っている人はきわめて少ないだろう。
そんなふうにイメージしてみるとこの本の旅の厳しさがつかめる。
エジプト、スーダン、エチオピア、ケニア、ウガンダ、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ・ボツワナ、南アフリカ。
アフリカ大陸を北から南へ歩いて縦断。
所要316日、距離1万1000キロ。
気温プラス50度、暑さよりも鬱陶しくつきまとう現地の人、そして強盗。
旅は艱難辛苦の連続たけれど、文章は思いのほかあっさりしている。
水平の旅の紀行にありがちなやたら興奮しすぎているシーンがさしてない。
なんでやねん。
必要以上に他者に認めてもらいたいという欲求がないからないのかもしれない。
この著者は自分らしい旅を淡々とつづけてゆく。
だから旅の終わり方もあっさりしている。
ひとつが終ってもすぐに次が見えてくる人は必然的にそうなるのかもしれない。
ひたすら目指してきた喜望峰は、辿り着いた瞬間に目的地から通過点へと変わっていった。
すこし前に読んだ本。
『天才と発達障害』(岩波明著)
短所は長所であり、長所はまた短所でもある。
たとえば「計画性のなさ」は「臨機応変」でもある。
そう考えてみるとかなりの人がそれぞれの才能を持っているといえなくもない。
ではなぜそうした人たちは世に出てこないのかな。
やはり日本社会においては正しい正しくないにかかわらず、異端なものは抹殺するからだろうか。
中途半端なヘタレの意見など潔く切り捨てて己の勘のみを信じて前へ前へ。
そういう凄まじい行動力と執念がないことには、長所をのばすことなどできないのが現状なのかもしれない。
なにか大きなことをやる際に問われるのは、反復練習によって培われる細かな技法だろうか、それとも行動力や集中力だろうか。
この本の狙いとはちがうことばかり考えてしまった。
「クレイジージャーニー」の放送が、週刊文春(2019年4月4日号)で紹介された。
雪山登山家って肩書きがなんか変だけれど、知名度あるわりにはラッセルやったことない登山家とかリスクを毛嫌いする冒険家もけっこういるからいいのかな(笑)
雪山で楽しんでいる、とりわけたとえ山頂に立たなくっても充実した時を過ごしている、というのは伝わったようだ。
詳細はこちら。
https://bunshun.jp/articles/-/11284?page=1
「ねえ、経験者ってどういう人たちのこと?」
「頭が固くって新しい試みに対する臆病者のことだよ(笑)」