昨夜読み終えた本。 『国宝 上』(吉田修一著) 表紙のごとくふたりの歌舞伎俳優のはなし。 (どんなストーリーかはネットでいくらでもでてくるから省略) はなしが突然飛ぶ。 たとえば冒険の世界では表現力(動画、写真、文章)なのか実力(企画力、精神力、技術、体力)なのかとよくいわれる。 どうしても話上手が目立つ。 冒険は、スポーツのように難度の具体化(数値化)は難しい。 その分野に精通しているといわれる人でも難度をうまく掴めないことが多々ある。 歌舞伎もまた専門家でも評価が難しいのではないか。 血筋(世襲)なのか実力(演技力)なのか。 (もちろん血筋には一般的大衆には想像のつかない縛りも背負っているものも大きいだろう) そして歌舞伎俳優のふたりの主役がどん底から這いあがろうとするところで、この本の上が終わる。 歌舞伎どころか演劇ですらまったく関心のない自分だけれど、気がついたらのめり込んでいた。 歌舞伎もまた混沌とした世界を試行錯誤しながら夢を求めてすすんでいるのかもしれない。