山や冒険における行動パターンは、ネコのように気まぐれだとか無計画だとかよくいわれる。 沢木耕太郎の『深夜特急』じゃないけれど、朝目が覚めたときにその日の行動をきめているからだろうか。 自然界ではしばしば想定外のことが起きる。 しょせん人間の力など、自然界の力にはおよばない。 人間が机上でつくりあげた計画を、自然界の摂理に押し込もうとすることにむりがある。 明日のことなど、わかるところまでしかわからない。 計画に従順になるよりもなんとなく行きたくない行きたい、といった自身の内なる声に耳をかたむけている。 臨機応変ともネコのような気まぐれともいえる。 のんびりしているとも待機しているとも。 もしかしたら山や冒険で生き残った人と生き延びられなかった人との境は、そのあたりにあるのだろうか。