旅の資金についてよく訊かれる。 基本的に最低限の装備提供をのぞけば、資金面におけるスポンサーとの関係は皆無。 資金支援のための活動は、あえてやっていないといったほうがいいのかな。 一度だけ資金支援を受けたことがある。 そのことが原因かどうかわからないけど、おそろしいほど行動に集中できず、旅そのものもなんだかおもしろくなかった。 以来すべて自費。 といっても自分が訪れるところは飛行機のチャーターもなければ許可料も発生しない。 たぶん皆がおもっているよりもかなり安くあげているとおもう。 たとえば数年前の冬にカナダ中央平原を3カ月間旅したときは、日本からの飛行機代こみ現地の宿泊や食料すべて合わせて30万円ほどだった。 だいたいいつもそのくらい。 もともと山も旅も高校生のころからはじめていて、資金などほとんどゼロに近かったけど、それでもいつもなんとかなっちゃったから。 そんな経験があるからだろうか、資金がなければないなりにその範囲内で楽しめる。 最近では資金も装備も少ないほど貧弱なほど、あれこれ試行錯誤してそれ自体もおもしろいんじゃないかなと思えるようになった。 そんなかんじのノリで旅をつづけている。 * すこし補足する。 ここでは冒険のための資金支援の是非をいってるんじゃない。 場所によっては気合い入れて切り詰めて切り詰めたところで、どう考えても個人で資金を捻出できないケースだってある。 あくまでも、いま手に入るものでもじゅうぶんになんとかなるというはなしだ。