中学生のとき丹沢や南アルプスをひとりで歩いていた。 いまみたいに山の景色の記憶は皆無。 山でいちばんの楽しみは、ほかの登山者から山の話を聞くことだった。 まだ丹沢しか知らなかった自分にとって、どんな山の話も新鮮だった。 山の難度という概念すらなかったあのころ。 山も人も純粋に輝いていた。
書評を書いた。 『ヤマケイ文庫 登山史の森へ』(遠藤甲太著) 書かれていることだけがすべてではない。 多くの人は、活字にしないと反応しない。 多くの人は、活字にしたとたん鵜呑みにする。 たいせつな記憶って、言葉にしたとたん色褪せてしまう。 あの世まで持っていきたい思い出がある。 眠っている(埋もれている)記録、あってもいい。 山の思い出、すべてを語らなくってもいい。 以上、書評を書きながらメモしたこと。 この本は、一般的な登山者には馴染みのうすい登山(登攀)記録を掘り出して、ときにユーモアをまじえて解説したもの。
・台風直撃や猛吹雪だと行きたくなりますよね。 ・サンダルにかぎりますよね。 ・承認欲求より自己実現ですよね。 なぜしてくくりたがるんやろ。 幅広い選択肢があっていい。 むかしといまと、いっとることがちがってもいい。 自分の山って誰かにくくられてしまったとたん、色褪せてしまう。