『What’s Next? 終わりなき未踏への挑戦』
昨夜読んだ本。
『What’s Next? 終わりなき未踏への挑戦』(平出和也著)
二十歳そこそこで山をはじめるやいなやヒマラヤ8000メートル峰に無酸素登頂。そして山頂からスキー滑降に成功。
平出和也はもともと大学陸上部の競歩選手。のみならず幼少のころよりスキーや剣道などスポーツで活躍するアスリート。
大学の途中で陸上部から山岳部へ。
より高きより困難な山を効率良くめざすなら、山岳部以外の体育会系の部でしっかり基礎体力をつけてからのち山岳部に入部がベターなのかもしれない。
飲んで山の話をしているだけでは体力はつかない。
登りたい山がたくさんある人は、やはり効率良くやったほうがいい。
体力は有限。いずれピークをむかえてあとは落ちるだけ。
大学山岳部のあとは地図の空白部から未踏ルートをさがし出し、堰を切ったように毎年のようにヒマラヤの壁を登る。
自分の価値観に沿った山やルートをさがすには、ネットよりも紙の地図や資料ではないか。そして現地に赴く。
情報収集は手間隙惜しんだらダメ。効率良くやろうとするのはさらにダメ。
課題さがしは、一般的な受け身型の努力とは異なる。
先天的な嗅覚みたいなもの。好奇心と根気と。
誰から勧められるわけでもなく気がついたら神田の神保町の書店で資料とにらめっこしているような。
「テクニックだけをとっていえば、私以上に登れる人は日本でも世界でもたくさんいるだろう。しかし目標になる課題を見つけるセンスがなければ、そのテクニックを発揮することはできない。」(本文より)
アスリートと探検部的な要素という組み合わせが、ヒマラヤにおける一連の初登攀に繋がったのではないだろうか。