垂直の世界で活躍する人たちって、壁を見あげたときにワクワク感につつまれている。 でも自分は、大岩壁を前にしてワクワクしたことがなかった。 谷川岳の一ノ倉沢、黒部の岩壁、欧州アルプス、ヨセミテのエルキャピタン、、 威圧感あるのみ。 いつかきっと、、 そう期待して本チャン・ルート200本ちかく登攀したけれど、ワクワク感に出会うことはなかった。 垂直の世界は、生理的に合わなかったのかもしれない。 30歳からはじめた水平の旅では、頻繁にワクワク感を感じている。 カナディアン・ロッキーを麓から見あげたとき、カナダ中央平原に立ったとき、風雪の津軽の山にむかうとき、、 登れなくっても充実する。 ただそこにいるだけでいい。 無理して垂直の世界にしがみつかなくてよかったな、ってつくづくおもう。