KODAK Digital Still Camera
無風快晴の日の津軽。
暗いうちから歩きはじめる。
森林限界を越えると雪は適度な堅さでアイゼンがよく効く。
ひたすらノンストップ。
夏よりも速いペースですすみ、日の出よりもだいぶはやい時間に頂きに立った。
数日間ずっと格闘したラッセル、ホワイトアウト、突風、低温が嘘のようだ。
冒険論もアルピニズムもその哲学は素晴らしいし、最先端の進歩発展に役立ってきた。
いっぽうで冒険論やアルピニズムが純粋な行動をつまらないものにしてしまっていることもあったりする。
やっぱり山はいい。
山麓の落ち着きもいいけど、たまには解放感のある稜線もいい。
猛吹雪のホワイトアウトの日もいいけど、たまには展望のひらけた晴天の日もいい。
いいと感じるものはいいわけで、必要以上に頭のなかで限定したり制約したりすることもない。
朝の上越。
束の間の疑似晴天。
雪煙のなか目が開けられず、あてずっぽうでシャッターを押す。
未明よりノンストップでラッセルして、写真何枚か撮ってノンストップで下る。
下降中に穴に落ちて左太ももを捻るも、ふたたびノンストップで下る。
安全圏についたら低気圧の通過により風雪となる。
がむしゃらに行動して、ひさびさに無の境地になれたか、な、、(笑)