先々週読んだ本。 『狩りの思考法』(角幡唯介著) グリーンランド北部の村に暮らす狩猟民に「明日は狩りにいくのですか?」「天気どうっすかねえ?」と訊いても、たいていぶっきらぼうにナルホイヤ(わからんなぁ)と返ってくる。 コミュニケーションに関心がないのとはちがう。 計画性がなく、だらけているのともぜんぜんちがう。 たとえば日本の雪山でも翌日の天候を正確に見きわめるのはことのほか難しい。 むしろ雪山の熟練者ほど、過去のデータをもとに予測したところでその日その時になってみないとなんともいえないことを痛感する。 何かをやるにさいして計画はもちろん必要だが、ときに計画などにとらわれず目の前で起きていることでその都度判断したほうがかえって合理的だったりする。 この本はグリーンランド北部の村に暮らす狩猟民の思考を分析したもの。 そもそも計画って、いったい何のために立てるのだろう。 もしかしたら事前予測というものに必要以上に縛られ過ぎていないだろうか。