昨夜読んだ本。 『世にも美しき数学者たちの日常』(二宮敦人著) 気鋭の数学者たちにインタビューしたもの。 オイラは数学のことなどさっぱりわからんけど、それでもなんだか言わんとすることがわかりそうな気がした。 読みはじめたら予想どおり。 すくなくとも山小屋とかで会う自称・山のベテランさんや旅先のゲストハウスとかで見かける自称・旅のツワモノたちよりも、この本に登場する数学者たちのほうが遥かに話が通じそうだ。 彼らの数学を自分のやっている山や旅に置き換えてみると、なぜかピタリと意味が通じてしまった。 「数学は何かのために作ったわけじゃないですよ。心の赴くままにやったものなんです」 →気がついたらやっていた。なぜ?に対する理由なんて後付けにすぎないのだろう。 「おそらくですね、数学の定理を作るって、努力したからできるものじゃないんです。天性のものだと思います」 →死にもの狂いで努力しただけでは不十分。なおかつ直感や閃きといった嗅覚のようなものがないと大成しない。ときには才能のない自分という現実をも受け入れていかざるを得ないシビアな世界ということだろう。 「山を見た時、あ、これなら登れるなとピンとくる。そういう感覚と同じかもしれません。実際に登れるかは、やってみないとわからない部分もある。数学が美しいという感覚は、そこなんじゃないか」 →できるかできないか偏差値的(科学的?)な判断ではなく、直感的なものがきわめて大きいということだろう。 なおこの本の数学とは、試験で点数をとるためのものではない。 宇宙とは何かといった疑問を解決するための手段のひとつとして数学というものを捉えている。