ひさびさに再読してみた。 「インタビュー 吉田和正」 自分とはやっていることも訪れるエリアもまるで接点がないけれど、なぜか物事に対する取り組む姿勢は共感することが多かった。 吉田和正の世界はディープすぎて、一般大衆に説明するのはあまりにも難しい。 彼のクライミング人生には、妥協という言葉がない。 何かをやるにあたって、つねにあらゆる犠牲のもとに成り立っている。 若いころからの激しいクライミングで、三十代のころから身体はすでにボロボロ。 腰を疲労骨折した状態で課題(クライミング)に挑む。 1日トライすると身体の故障ゆえに3日寝込む。 自虐的とも精神が破綻しているとも揶揄される取り組み方。 行動はスポーツだが、心は孤高のアーティストに通づるものがある。 効率や結果を重視する世の中において、こういう姿勢はむしろ否定的にとらえる人のほうが多いだろう。 でも効率や結果の一点張りでないところに、クライミングや冒険や人生のおもしろ味はあると思う。 自分としては、1つのテーマにこれほど真摯にのめり込める姿勢が羨ましくもあった。 マネはできないけれど、すこしでも近づけたら。 そして自分が厳冬カナダで凍傷などのアクシデントに見舞われるたびに、吉田和正のことを思った。 もし彼だったら凍傷で足の指が真っ黒の壊死状態になっても断念せずに精根尽き果てるまで歩きつづけるのではないだろうか。 現地で入院していた病院のベッドで、そんなことを日記に綴ったこともあった。 そうした意味では、影響を受けた部分はひじょうに大きい。 * 孤高のクライマー吉田和正は、先日ガンのために亡くなった。 http://blog.livedoor.jp/hardlucktome/