何かをはじめるときに年齢が若いと、まだ早すぎると横槍が入ったりする。
何かをはじめるときに年齢をあるていど重ねていたりすると、こんどはもう遅いと横槍が入ったりする。
年齢に関係なく何かをはじめるときに、平和ボケした傍観者の横槍は定番なのかもしれない。
むしろ早くスタートしちゃうのは他人よりも情熱があるから。
他人よりも遅れたスタートができるのもこれまた情熱があるから。
そもそも歌の歌詞やドラマではあるまいし、何かをはじめるときに好条件がピタリとそろうなんてことはあまりない。
ハンディ抱えつつもはじめるものだ。
自分の弱さを見せることができるって、弱さだろうか強さだろうか。
自分の弱さを一生隠しつづけることができるって、弱さだろうか強さだろうか。
「ねえ、山小屋ってどんなところ?」
「実績も実力もないクソ・ガイドやクソ・オヤジどもが、酒飲んで大ボラ吹くところだよ(笑)」
何かの分野で頭角をあらわしはじめる人がでてくると、かならずといっていいほど全身全霊でつぶしにかかる人がでてくる。
世の中は何かで頭角をあらわす人よりも、全身全霊でつぶしにかかる人のほうが格段に多い。
裏を返せば、全身全霊でつぶしにかかることは特別な才能など必要ない「どなたにでもできる軽作業」といえよう。
やりたかったけれど、けっきょくやらなかった。
世の中そういう人ってたくさんいる。
昨夜読んだ本。
『間違う力』(高野秀行著)
アフリカでの謎の怪獣探しやミャンマー北部の麻薬地帯長期滞在を行ってきたノンフィクション作家のこれまでの奇跡を、人生訓10カ条にまとめたもの。
とにかく早大探検部出身のこの著者は、何でもあり。
いやだって、、、
自由を求めて山とか旅とかやっとるのに、教条主義を押しつけてくる輩が少なくないから。
サンダルで夏の北アルプスを歩いてはいけません、自転車で雪の上を走ってはいけません、はじめてのスキーで長期縦走をやってはいけません、運動靴で雪山に行ってはいけません、台風直撃のときに山でキャンプしてはいけません、冬型が強まったときに東北の日本海側の山に行ってはいけません。
あれダメこれダメそれもダメ、、、
この著者は、基本などはなから無視していきなり応用から入る。
だいたい基本をきっちりやっていたら実践に移る前に人生が終わる。
この本に書いてあることが役に立つかどうかはさておき、まずはやったもん勝ちという著者の姿勢は読んでいて気分がスカッとする。
いくら猛練習を積んでも絶対に試合に出ない野球選手に価値はない、と言いきる。