ここ数年、海外に行きたいという欲がまるで起きない。 日本特有の冬の悪天候なら北海道を勧められても、まったくといっていいほど興味がわかない。 心と訪れる土地には微妙な時差がある。 二十代後半から三十代にかけてのカナダの雄大な山や土地は、もっともエネルギーがあったそのころの自身の心とピタリ一致した。 四十代五十代の冬の東北もまたしかり。 東北という土地は、若い時期にはなかなかその地味な魅力に気づかない。 お寺めぐりに似ている。 いろいろ経験したあとだからこそ味わえる。 きっと登る山にも訪れる土地にも「旬」というものがあるのではないか。 だから猛吹雪だから出かけるというと、すぐに「じゃあ利尻は行かないんですか」と浅い考えを押しつけられるとケリぶっこみたくなる(笑)