昨夜読んだ本。 (十代のときに何度も読み返した。たぶん30年ぶりくらいの再読) 『十六の墓標 炎と死の青春』(永田洋子著) 極左テロリストの獄中手記。 革命という理想のために銀行強盗、猟銃強奪、そして同志殺害。 その是非はともかく、、、 すごい潔く行動しちゃうんだなというのが、いちばんはじめに読んだときの感想だった。 自分が十代というオトナ(口先だけで実行しない人種)がもっとも信用できない年代だったからだろうか。 だってたいていの人たちは飲んだ席では理想を掲げて熱く語っても、いざ実行となるとできない理由を並べているだけだったから。 物事に真剣に取り組んだら最後は精神が破綻するか人を殺めるか自死するかになっちゃうのかなとも思った。 自分にはそこまでできないな、とも思った。 そして十代のときの読後感は、30年経ったいまもあまり変わってなかった。 ちなみに自分は革命を支持しているわけでも人殺しを肯定しているわけでもこの著者の行動が正しいといっているわけでもない。 あくまでも妥協を許さない姿勢においてスゴイなという意味だ。
昨夜読んだ本。 『シリア 戦場からの声 内戦2012‐2015』(桜木武史著) 中東問題もシリア情勢もわからないけれど、最近自分のまわりの一部で話題になってたので手にとってみた。 銃撃戦のなかに身を置いて、現地で親しくなった友が目の前で撃ち殺されてゆく。 ずいぶん文章が淡々としているなぁ。 自分のなかで戦争といえば映画でしか知らなかったからそう感じたのか。 でも戦場という殺すか殺されるかリアルの世界に、演出もヤラセもドラマもない。 話は飛ぶけど、前に聞いたこんな話を思い出した。 戦争の話をやたら熱く語る人は、たいていたいした体験をしていない。 ほんとうに怖い世界を見た人は、そうそう他人に話せるものじゃない。 ほんとうに恐怖を体感した人は、精神は破綻してしまう。 あるいはすでにこの世にはいない。 戦場という生の現場で起きていることは、しょせん一般大衆がイメージするには限界があるように思う。